蝶々

死にたいというか消えたいというか自分を無かったことにしたい、という気持ちと、生きなければいけない、仕事をして税金を払って食事をしてそれなりに化粧をし洋服を買って、人と会話をし、人間らしく毎日を過ごさなければいけない、という気持ちが綱引きをしている。均衡している時はいいけれど、どちらかが負けると行動が極端になる。

仕事をしすぎる、食べすぎる、買いすぎる、眠れなくなるほど悩む、飲み物しか口にしない、風呂や食事が億劫になり睡眠しかしない、仕事に行けなくなる。

 

もうずっとこうだ。小学生の時は中学生になれば解決すると思った。中学生のころは高校生になれば、高校生になったら社会人に夢を持っていた。そして今。全く何も解決していない。

むしろ選択肢が増えたことによってますます複雑になって私の手には負えなくなってしまった。

 

よく考えすぎだと言われるが、惰性で結婚や出産や子育てや仕事や生活をしているなら、それはもう才能だ。この世を生きる才能がある。生物はどんな過程であろうと、環境に対応したものが勝つ。惨めだろうと幸せであろうと関係ない。

私はもう、生まれてきた時点で負けてしまった。私という自我が形成された時点で終わった。最初に死にたいと言ったけど、すべて記憶を消してから、自分を今の状況に置かれてみたら変わるのかもしれない。恐らく今の自分より性格が暗いということはないだろう。

 

そろそろ病院に行くタイミングなのかもしれない。最近、人と会話すると消耗してしまう。酷い時は街で人とすれ違うのさえも疲れる。自意識過剰だと言ってもらっていい。他人は私に興味が無いというのはもう痛いほど分かっている。興味があるのは私の方だ。

分かっていても、聞こえてくるどうでもいい会話に潜む自慢や傲慢や自虐や欲望に疲れてしまう。自分は人よりも感情を受信するアンテナの位置が高いのだろう。だからどんな些細でくだらないことも、調子が悪いと全部受信してしまう。調子のいい時はいいのだ。流せるから。

 

毎日胸のあたりが重い。気がつくと歯を食いしばっている。食欲はあるが今まで食べていた量の半分あたりで吐き気がしてくる。寝ている間、リラックスしていないのか朝起きると身体が強張っていて痛い。眠れないくせに変な夢をよくみるので、起きた時に現実かどうか確かめなければいけない。

 

涙を流しても誰も傍にいない。こんなことを考えても仕方がない。もう暖かくして寝るべきだ。毎夜繰り返す。いつ終わるのだろうかと。

 

この繰り返しが、私の人生だと言うのなら、地獄だと思う。