紅茶クッキー

 

久しぶりに外へ出ると、秋と冬の中間くらいの空気の匂いがした。こんな都会でも田舎と同じような匂いがするんだ、と感動した。

わたしの地元は田舎なので、名前も知らないような植物や小さな虫や鳥が共存している。家の前には川が流れていて、耳を澄ますと水音が聞こえる。加えて、秋には虫の音が聞こえる。夜中、なかなか眠れない時に聞くと結構染みる。

それらが少しずつ息を潜めていく気配。風景はだんだんとセピア色になっていく。

 

身近すぎて気付かなかったけれど、かなりいいロケーションだなあと思う。今は、アスファルトに囲まれた生活をしているから、小さな虫すらいない。

冬を越したらどうしようか。一度地元に帰るのもありなのかもしれない。