ハムマヨロール


この夏、地元を離れることになった。

着替えやら生活用品やらをキャリーケースに詰めている時、バスタオルを手にして思ったことだ。


実家でバスタオルを使う習慣がなく、バスタオルを初めて使わせてもらったのは元彼氏の家だった。大きい、便利、マントみたいになって楽しい、みたいにはしゃいでた記憶がある。存在を知っていても出会うまでは存在していなかったことと同じだと思った


地元はクソ田舎なので、都会の便利さにある種の悲しみを覚えている。出会いたくなかった、都会の暮らしに。こんなになんでも手に入る環境で育ってみたかった。少し歩けばコンビニ、かわいいカフェ、きらびやかなデパートやブランド店。

どんな気持ちだろう、根っからの都会人というのは。地元は嫌いではないが、既に圧倒されているというのが正直なところだ。快適なのだ。田舎もいいよねとかいうのは都会の人の高みの見物の感想だ。田舎と都会では選択肢の多さが違いすぎる。


コンプレックスが爆発しそうだがなんとかやっていきたい。

花火もバーベキューも海へ行く予定もないがいい夏になると思う。